静的オーバーレイ

OEM・CFRPホイールの企画開発~生産供給を承ります。

OEM・CFRPホイールの企画開発
生産供給を承ります。

近年、スーパーカー、スーパースポーツバイクには、CFRPホイールが純正装着されるようになりました。

DUCATIはGPレーサーのDesmosediciで、BST-CFRPホイールをサーキットで何度もテストし、当時の最上級仕様のDesmosediciRRでの採用は見送りましたが、2019年の1299 Superleggeraから、デザインのオリジナルCFRPホイールを2024まで純正採用してきました。そのサプライヤーであるBSTは放射状ダブルスポークのDUCATI向けOEM仕様と基本的なスペックを同じくして傾斜ダブルスポークのRapid Tekをアフターマーケット商品として販売を始めました。最新型の2025年モデルでは、DUCATIのOEMホイールのデザインが変わりました。同時に、Superleggera以外にもDUCATI Performance 純正オプションとして販売が開始されています。


さて、前置きが長くなりました。

弊社・日本複合材は、Black Stone Tek社から、OEMホイールの受注が許可されています。モーターサイクル用だけでなく、四輪自動車用も開発~試作~量産まで承ります。

自動車メーカー、オートバイメーカーなど、ある程度の数量を企画されている企業様にのみ、オリジナルデザインのCFRPホイール開発の提案が可能です。イメージスケッチに始まり、解析をもとにデザインを固め、十分な検討の後に、ツールを作成します。プロダクションモデルと同じ仕様で、試作品を複数個製作し、お客様が必要とされる現物試験を行った後に、実走しフィーリングを確かめていただきます。改めて量産仕様を決定し、必要数量を生産させていただきます。現在は、最新の材料情報を搭載したCFRPの解析ソフトウェアの精度が向上しています。樹脂と繊維の流動解析を含め、解析技術も信頼性が上がっています。駄肉を排して、必要な部分への積層で製造できるようになっています。現在のCFRPホイールが過去のモノに比べ、軽量化が進んだのは、材料技術と解析技術の進歩が大きいと思われます。


一方、2025年現在でCFRPの量産技術はかなり進化し、極力人手の介入をなくし機械生産で、24時間稼働でコストダウンを図る、何よりも商品として安定的に計画数量に到達するために新しいCFRPもの作りが開発され、実用化されています。

今世紀初頭、BMWが電気自動車の量産のために、車体の軽量化を真剣に検討し、量産車で初めてCFRPモノコックボディをi3に採用しました。その量産がある程度落ち着いたころから、モトラッド(オートバイ)でもCFRPがメインフレームやホイールに使われる限定生産車が出始めました。当時のBMWはCFRPの材料メーカーごと買収するなどして、CFRP大量生産の確立に取組んでいました。

そのCFRP生産技術はYouTubeにも公開され、HP-RTM(High Pressure Resin Transfer Molding)は、CFRP 部品生産のメインストリームなると思われました。HP-RTMの成形技術は、炭素繊維を前もって形作られたプリフォームを金型内に配置し、密閉型の金型を閉めてから、流動性の高い反応性エポキシ樹脂を流し込み、金型を加熱して、型内でエポキシ樹脂の重合が完了すれば、離型するという方法で作られます。HP(=高圧)と頭に付くのは、2液、もしくは3液性のエポキシ樹脂を混合するときに高圧でぶつけることにより、攪拌作業を確実に行う技術であって、決して「金型内に樹脂を高圧で押し込んで、鍛えている」というようなモノではありません。 高圧力をかけて金型に押し込むと、型内にセットしたプリフォームが流れてしまいます。低粘度のエポキシ樹脂をサブチャンバー内で高圧でぶつけ攪拌した樹脂を金型に流し込み、含侵工程が早まるようにドレン側からもバキュームで吸引し、適量の樹脂を充填して効果を待ち、脱型します。HP-RTM成形の製品は、全周が金型ですので、アルミ・ダイキャスト製品と同じような、全周ツルツルで美しい外観が作れます。RTM成形法は、量産技術として優れていますが、これまでの、流動性の良く硬化速度の速いエポキシ樹脂では、硬くても靭性が良いものがなく、一点衝撃がかかると、強化繊維はつながっていても、樹脂だけが割れてしまう場合があります。材料技術は今も進化していますので、その靭性(壊れにくさ)は改善されていきますが、現在のところルーフやボンネットなどのボディーパネルや複雑形状のフレーム部品での適用には良いのですが、路面からダイレクトに衝撃を受けるホイールには、一抹の懸念が有ると思います。

これまで、航空・宇宙産業向けに開発されたプリプレグ・オートクレーブ法(あらかじめ炭素繊維に高粘度のエポキシ樹脂を含侵させた中間材料=プリプレグを、金型に人の手で貼り込み、バキュームバッグで金型ごとくるみ、オートクレーブ内で加圧、昇温、硬化、降温工程で時間をかけて行う)とは、大きく異なります。 

BSTカーボンホイールはプリプレグオートクレーブ法で生産されています。自動化できる部分はかなり早い段階からCNC化されていますが、プリプレグの貼り込み、バキュームバッグのセット~オートクレーブへの罐入れは、人の手で行われています。オートクレーブ生産の方法は日本でも、欧米でも同じです。ワーカーの人件費が直接、製品単価に響きますので、南アフリカにあるBlackstoneTek社は市場競争力のあるオートクレーブ製品を提供できています。

BSTカーボンホイールは、タイヤが接触する部分はCNCマシニングセンタにより機械加工していますが、タイヤが接触しない部分はバキュームバッグが当たったままの表面にしています。これには理由があり、センター部分も機械加工をかければ外観はツルツルになり店頭での商品性は良くなりますが、その加工は外観ツルツルのために繊維をカットしてしまうことになりますので、せっかくの長繊維の強度を損なうので最低限タイヤが接触部分だけ平滑加工しています。

世界にはBSTカーボンホイール以外にも、CFRPホイールを生産供給できるメーカーが有りますが、過去20年以上にわたる販売実績と生産技術の改善の歴史を知る弊社としては、ホイール生産のOEM供給をお考えになられる場合は、BSTカーボンホイールをお勧めします。